今回は一眼レフカメラの「魚眼(フィッシュアイ)レンズ」で撮影した写真を紹介します。
フィッシュアイレンズは画角180度で撮れる「超」が付くほどの広角レンズ
お馴染みの方も多いかと思いますが、魚の目で見た光景と同じ視野をもつ少し特殊なレンズとも言えます。
そんな魚眼レンズで撮影したフィッシュアイの写真を徹底公開します。
■今回使用するレンズ
- NIKON AF DX Fisheye-Nikkor 10.5mm f/2.8G ED
・花
・木々
・近接撮影
・鍾乳洞
・紅葉
・参考になる写真を見てみたい
・魚眼レンズの撮影を検討している
フィッシュアイ(魚眼)レンズについて
フィッシュアイ・レンズは正直クセのあるレンズです。
また少し特殊なレンズのため
「星」の撮影に合うレンズとして定着しています。
しかし、ときには花や自然、街並み、ペットなど、様々な写真撮影で応用できるレンズでもあります。
魚眼レンズで撮影した写真は「まるっ」とした歪みが生じてしまうため、好き嫌いが分かれるレンズです。
一時期ワンちゃんの鼻デカ写真でも話題になりました。
(今でも人気?かも知れませんが…)
その他、公園や海辺などでの「ウェディング・フォト」にも用いられることもあります。
やはり「現実離れ=ユニーク」な写真が撮れるため、ありきたりではない面白くて魅力的な写真を撮るのに適したレンズであるからだと思っています。
そんな魚眼レンズの写真を数えきれないほど撮影してきた私「ロケ」の写真をジャンル別で紹介していきます。
街
・ニューヨーク「タイムズスクエア」付近
魚眼レンズは写真に歪みが生じてしまうため普段の写真撮影には「向かない」と言っても過言ではありません。
しかし、ビルや街の景色にしても普段目にしないような世界をまるごと収めることができるため迫力ある写真を記録することができます。
ただ魚眼レンズは第3、第4候補のレンズとして使用するのに適したレンズであると思っています。
普通の写真では物足りないかも・・と、思ったときに第3、第4候補のレンズとして選択されるのもまたおすすめです。

街のスナップ
写真に迫力は出るけど歪んでいるから「あまり好きじゃない」という人も多いのがフィッシュアイ・レンズの写真です。
しかしフィッシュアイだからこそ撮れる世界でもあります。
定番の24mmや28mmなどの広角レンズでは、少しありきたりな写真になってしまう傾向があります。
そんなときにフィッシュアイ・レンズを使用することによって、多少なりとも新しい世界を作り出すことが可能になります。
なので、「いつもと違った雰囲気の写真を撮りたい」といったときに使えるレンズだと思います。
ビル群
エンパイア・ステート・ビルを見上げるようにして撮影。
なんとなく「面白い写真?」なのではと感じています。

またフィッシュアイ・レンズはフレアが目立つ傾向があります。
強調したい箇所にフレアが表れていないか確認しながら撮影していくのも重要です。
お散歩
フィッシュアイレンズは、どんな被写体でも比較的かんたんにピントが合います。
こちらの写真は散歩しながら一瞬止まってパシャリと撮影した写真になります。
時間にして、1,2秒程度です。
目に見えている光景がまるっと収まるため、そのままカメラを構えて
「構図をどうしようかな・・」と言った迷いもなく簡単に撮影できる傾向のあるレンズです。
レンズも350gと軽いため簡単に扱えることができます。
そういったところが「魚眼レンズの強み」であるように感じます。
こちらの写真も立ち止まることなく歩きながら撮影
ときには構図も気にすることなく自由に撮影していくのも「躍動感ある写真」が撮れます。
でも街スナップが好きな人はいいかも?
風景
魚眼レンズと言えば、このような「まるっと」した写真です。

風景写真は、ほとんどこちらのような丸い形となってしまいます。
正直、このような写真はどうなのでしょうか??
ホントにおもしろ写真としての『記録』としては良いのかも知れませんね

ドローンの撮影では意外に合うかも知れません。
水平
魚眼を無理やり水平に持ってこようとすると、このようになります。
やはりまっすぐな水平にもっていくというのは、ほぼ無理であるように感じます。
風景写真の撮影には結局、14-20mm前後の「超広角レンズ」が一番合うかなと言う結論に至っています。

視野の広い「楽しい写真撮影」という点で用いるのにおすすめです。
橋
かんたんに迫力ある写真を撮ることができるのがフィッシュアイレンズ
この写真もカメラを構えて2, 3秒で撮影しています。
視野が広いためかんたんに撮ることができます。
とにかく気軽に楽しく撮影できるレンズであるのは間違いありません。

定番とも言える広角24mm-28mm前後のレンズであれば、橋全体が入りきらなかったり、川や青空もどこかカットされて窮屈な印象になってしまいます。
14-18mm前後の超広角レンズでもフィッシュアイと同じような写真が撮れますが、フィッシュアイ・レンズだからこそ撮れる迫力ある写真であるように感じています。
橋➁
24mmや28mmの広角レンズでは少し窮屈なイメージになりますが、フィッシュアイを使うことによって、マルっと全体を包み込むように撮影できるため目を見張るような写真が撮れるケースも多々あります。
また魚眼で撮ると人物が目立たなくなる傾向もあるため「観光名所」を撮りたいときにもけっこう役立つときがあります。
定番の広角レンズでは、青空も入りきらず一部の切り取りで終わってしまうところが、魚眼を使うことによって当時の光景をそのままマルっと記録することができます。
被写体によってはなかなか迫力のある写真を撮ることができます。
普段目にしない光景を楽しむことができるところが魚眼の魅力でもあるように思います。

でもフィッシュアイの写真も迫力あって楽しいよね
自由の女神
こちらの記念写真にしても、全体を幅広く収めることができるため、ビデオを回しているかのような臨場感を1枚に記録することが可能になります。
VRみたいに視野が広いため、なんとなくその場にいるような感覚にならないでしょうか??

「自由の女神」も土台まですっぽり収めることができました。
10年以上フィッシュアイ・レンズを使用していますが、長年使用していて感じるのは、やはり定番ともいえる
- 24-120mm前後
- 14-20mm前後
- 35mm, 50mm, 85mmの単焦点
のレンズを「メイン」として使用していくのが結局、一番良いのかなと感じています。
フィッシュアイはあくまで「気が向いたら撮影」するものであると考えたほうが無難だと思います。
誰もがそう思うかも知れませんが(笑)
家族の記念写真を魚眼で撮るのはおすすめしません
なんか「物足りない」なと思ったら、魚眼を使ってみるのも一つの手です。
あれもこれも入れたいっていうときにフィッシュアイの「出番」と考えてスナップしていくのもおすすめです。
また曇の多い日の撮影にはあまり向きません。
こちらの写真も雲が目立ってしまい、なんかスカッとしない写真になりました。
曇りの日は「望遠レンズ」などで空を入れない撮影がおすすめです。
東京タワーと黄葉
魚眼レンズでまるっと包み込むように撮影

魚眼だからこそ撮れる光景です。
歪曲も必ずしも「良くない」とは言えないように思います。
シーンによってはたくさんある写真の中でも他を凌駕する魅力的な写真を生み出すことも可能であると考えています。
花
花の撮影は花畑全体と青空を入れた写真もおすすめです。
ときにはこのようなクネッとした写真であっても被写体によっては「作品」として評価されるのは間違いないように思います。
花と夕日
花のアップは、一輪の花をまるっと包み込むように撮影するのもまた面白い写真が撮れます。

朝日や夕日の時間帯に撮影するのもおすすめです。
魚眼レンズはレンズ自体がコンパクトなため構図の決め方にしても比較的かんたんにできます。
レンズ自体もすごく軽くてピント合わせも容易にできるため、コンデジのように片手のみで撮影することもできます。
この写真も花畑の中へカメラを潜り込ませて覗き込むようにして撮影しています。
こういった取り扱いのしやすさが魚眼レンズの大きな魅力でもあると感じます。
木々
フィッシュアイレンズは新緑や紅葉などの木々の写真にも迫力が出て合うと思います。
画角180度のフィッシュアイレンズは人間の視野よりも広く撮影できますが、写真で見た際の「体感」では『180度の世界』と同じくらいの感覚になるように感じています。
かんたんに言いますと、VRのようにその場で辺りを見渡しているかのような感覚に近くなるという意味です。
■人間の視野
正常な人で、片目では鼻側および上側で約60度、下側に約70度、耳側に約90~100度と言われている。両眼がほぼ平面の顔面上にあるため、両目で同時に見える範囲が広い(左右120度)代わりに、両目が顔の左右に付いている他の動物と比べて総合した視野は広くない(左右180~200度)。
引用元:視野-Wikipedia
人間の視野よりも広いフィッシュアイレンズですが、「写真を見る・楽しむ」という点ではちょうど良い広さの世界を再現してくれているように思います。
暗所
フィッシュアイはf2.8の明るいレンズと言えます。
なので、暗所でも撮影がしやすい面があります。
こちらの「鍾乳洞」の写真も三脚を使うことなくすべて手持ちで撮影しています。
感度(ISO)を上げればかんたんに撮影することができますので、三脚が使えない場所でも利用しやすい面もあります。
近接撮影
魚眼レンズは近接撮影にもすごく強いです。
ニコンの魚眼レンズの場合、被写体から3㎝まで近づいて撮影することができます。
被写体にくっ付けるように撮影することができるため自由度も増します。
スナップ
このような写真をプリントして「記念として残したい」と思うのか…
と考えたときに、やはり魚眼の写真はあまり好ましくないような気もします。
普通に撮影した「落ち着きのある写真=シンプル・イズ・ベスト」だと感じます。
しかし、180度の写真世界も記念用として撮影していけば、また楽しいフォトライフを送れること間違いなしだと考えています。
イチョウ並木をお散歩感覚で撮影
レンズが軽いため歩きながら撮影できる「スナップ用」レンズとしてもおすすめです。
紅葉
見ごろを迎えた紅葉を包み込むようにして撮影
こちらの写真にしても一般的な24mmや28mmの広角レンズでは本当に一部しか切り取ることができません。
やはり狭い視野の写真では迫力もなくありきたりな写真になるケースが多くなる傾向があります。
目の前に広がる光景を撮影したいときは、魚眼レンズまたは14-20mm前後の超広角レンズに交換して撮影してみるのも一つの手であると思います。
落ち葉を画面いっぱいにして撮影
ちょっと明るく撮りすぎてしまいましたが…
目の前に広がるたくさんの落ち葉をまるっと包み込むように捉えることができました。
おわりに
魚眼レンズは、いつもとは違う光景を撮りたいなと思ったときやこの場所では
「あまりパッとした写真が撮れないかも・・」と、感じたときに役立つレンズだと思います。
星景の撮影以外は、面白系やちょっとしたジョーク系のレンズであると言っても否定できないレンズであると感じています。
ですので、「写真を楽しむ」という心づもりで魚眼レンズも候補として使用していくのが正しい選択であるように思っています。
「あっと驚く世界を作り出してみる」という気持ちでフォトライフを楽しめば、いつかは「未だ見ぬ写真世界」が生まれるかも知れない。と、偉そうですが…感じています。