・神社の「御祈祷」はいつ行くの?
・神社で記念写真も撮りたいです
こんな疑問に答えます。
赤ちゃんが無事誕生し、1か月ほど経過して行う行事である「お宮参り」。
本来は赤ちゃんが生まれた土地の神さまである「産土神(うぶすなかみ)」に無事にわが子が誕生したことへの感謝の意を伝え、これからの健康と成長、末永い幸福を見守ってもらうために行うものです。
ただそんなお宮参りの起源や歴史はどのようになっているのか、知らない方も多いはず。
今回は、お宮参りの由来や歴史について紐解いていきたいと思います。
・お宮参りの歴史
・わが子の幸福を祈る「お宮参り」
・神社で大切な記念撮影
お宮参りの由来
産土神というのは神道からうまれた言葉で、前述のとおり、その赤ちゃんが生まれた土地を守っている神さまのことです。
日本のしきたりはどれも神さまと密接な関係がありますが、お宮参りに関わる神さまとして必ず出てくるのがこの産土神になります。
なのでお宮参りは別名産土参り、ということもあるようです。
そして産土神はその赤ちゃんが生きている間に引っ越しなどの関係でどの土地に移るにしても、その子が生まれてから亡くなるまで一生涯、見守り加護し続けてくれる守護神であるといわれています。
現在は医療が整備されており、安全に子どもを産み育てることが出来ますが、昔は食糧や衛生面の問題もあり無事に生きていくことが難しかった時代。
そんな中で無事に生まれてきてくれたことを産土神に感謝しその土地の一員として認めてもらうこと、子どもの末永い幸せを願ってご加護を貰うことが目的です。
加護してくれる神さまと、その子どもの縁を結ぶ機会とも考えられていました。
昔は現代と比べると信仰に頼らざるをえない側面もあり、神さまや儀式・しきたりというのは生活に切り離せないものでもあったからですね。
男児は31日目・女児は33日目(32日目とする所もあり)に参詣し、その子の健やかな成長と幸福を祈り、儀式を受けることになります。
お宮参りの歴史
お宮参りがいつから始まったのは明確に言及されていませんが、古くは平安時代からで、一般的になったのは室町時代からと言われています。
またお宮参りといえば神社への参拝が思い浮かびますが、
この時は「この土地で出生したならば、この神社の氏子」というような明確な取り決めはありませんでした。
産土神という信仰対象はあって、出産後の祈祷はしていたものの、
現代のように「お宮参りといえば神社」という認識だったり、
「地域の神社の神さま(氏神さま)」といったような特定の神社にお参りにいく、という風習はなかったということですね。
また江戸時代よりお宮参りの帰り道に大老宅に立ち寄り、無事に祈祷が済んだことを報せることが風習となりました。
現在でも、知人や親戚などに初宮参りを済ませたことの報告を行うのも、この名残といえるでしょう。
そして明治時代に入ると、明治政府が
「この地域で生まれた子どもは、この神社の氏子だ」というように取り決めをしていきました。
そして国民にとって現代のような「お宮参り=神社への参拝」ということで完全に浸透していったという流れになります。
古来よりお祝いごとなどは「神社」、
法要など厳かに執り行うものは「寺」、
といったような儀式の分け方がなされていました。
しかし神道と仏教というのは長いことぶつかることなく共存していて、神を祀るか仏を祀るかの違いはあれど民にとって明確な違いは存在しませんでした。
「神仏分離」といったような「お寺と神社を明確に分けましょう」といった働きがあったのはこの明治時代からです。
この時から出産後の祈祷といえば神社というような認識が広まりましたが、現代でも、お宮参りといえば神社に行くのが一般的なだけで、お寺に行ってもなんら問題はありません。
ただ、お寺なので「宮」という呼び方はせずこの場合は「お初参り」と呼びます。
また現代でも言われることですが、昔はお宮参りは赤ちゃんを生んだお母さんは参加できませんでした。
なぜかというと、出産というのは血を伴うものとして「穢れ(けがれ)」の一つとされており、さらに出産後も出血が続くことが一般的なため、お宮参りの「出生後30日」と重なり、まだ穢れがある時期とされていたからです。
赤ちゃんを産んだお母さんは頑張って出産を乗り越えたにも関わらず、出産も出産したお母さん自体も「穢れ」とされ参加できないのは少々いたたまれない気もしますが、昔は神聖な場所である神社に出産直後の人間が入ることは許されなかったわけですね。
またそのようなしきたりとは別に、産後まもなく大きなダメージを受けている母親に無理をさせないようにお宮参りは代理で親族が祈祷していた、という説もあります。
どちらにせよ、母親が参加できないことが多くありました。
なので父方の祖母(赤ちゃんも父方の一族になるため)に当たる人がお宮参りのときは抱っこするというのが一般的でした。
今でも、古くからのしきたりや掟を大事にする地域や家庭は、そういった形式をとることがあるようです。
ただ現在では、出産は穢れであるというような認識は一般的には薄いため、赤ちゃんを産んだお母さんもお宮参りに参加して、赤ちゃんを抱っこしたり写真を撮ったりする場面もよく見られる光景になっていますね。
またお宮参りの本来の目的は「産土神に感謝を伝え、加護を貰う事」
ですが、現在では里帰り出産などもあり、30日を過ぎると生まれた土地ではなく親の元々の居住区に戻っていたりして、生まれた土地の神社では参詣しないことも少なくありません。
儀式などは省いて神社に行って参拝のみ行ったり、親族集まっての会食・写真撮影を行うなど、「出産後1か月」というような時期的な形式は残したままで、現代に合わせたスタイルでのお宮参りが一般的となっています。
わが子の幸福を祈る「お宮参り」
お宮参りは、こども自身も参加する初めての儀式であり、産土神をはじめ現代では氏神さまへの報告の機会でもあります。
ただ現代は掟やしきたりに縛られず、母親や赤ちゃんの体調・家族の都合などに合わせて無理のないように日時を調整することが多くなっています。
祈祷という形をとらずとも、それぞれの家庭が行いやすい方法で行えるのが一番ですね。
神社で記念写真撮影
お宮参りは、神社で本格的な写真撮影がおすすめです。
掛け着を羽織ってあらゆるシーンを記念に残すことができます。
また、お宮参りは赤ちゃんが生まれてから必ずしも1か月後に行わなければいけないと言うことでもありません。
2か月~半年後、遅い方だと1年後に行われる方もたくさんいらっしゃいます。
なので、ご自身の体調やペースに合わせて神社に向かわれるのも良いのではと感じています。
ただ、あまり遅くなってしまうと、赤ちゃんも大きくなっているため、掛け着を羽織った際にお顔が少し大きく見えてしまうときもあります。
また、体重も少し増えるため赤ちゃんを抱っこしながらの撮影は負担が増してしまうこともあります。
ですので、遅くとも3~4か月以内に行われるのがオススメです。
■出張撮影サービス
【お宮参り】赤ちゃんの幸福を祈る行事【由来・歴史】:おわりに
神社では自分の願い事を祈るのではなく、日頃の「生かされている」という『感謝』を神様にお伝えするのが正しいとされています。
また、境内の歩道も中心を歩くのは神様が通る道のため、良くないとされています。
写真撮影も同様に本殿の正面にあたる場所に立って撮影を行うのは良くないそうです。
しかし、神社の関係者の方も本殿の正面に立って撮影されていることも多いため、難しい問題でもあるのかなと感じています。
できる限り本殿の正面にあたらない場所で写真撮影を行うのが好ましいのかなと思います。
こちらは「信じるか信じないかはあなた次第!」といった内容でもありますが、神社では「日々の生かされている感謝の気持ちを伝える」ことが最も大切です。
「感謝を伝える=良い方向へ進んでいく」となるそうです。
今回のテーマであるお宮参りの場合ですと、日々の生かされている感謝と「子供が無事に生まれてくれて感謝します」といったところ?ではないかと思います。
少しでも参考になれば幸いです。